SSブログ

西 加奈子 「きいろいゾウ」 [本]

s-k03.jpg

西加奈子作品、初めて読んでみました。
宮崎あおい、向井理で映画化もされてましたね。
東京を離れて田舎に暮らす若夫婦の物語です。
夫婦の会話とかはすべて大阪弁なんで、私には
すごくなじみやすかったんやけど、東京の人は
ニュアンスちゃんと伝わるんでしょうかね?

前半は日々のエピソードがほっこり癒されます。
後半は一気に、ミステリアスかつ情緒不安定に。
ちょっとホラー映画っぽい雰囲気すら感じます。
一言で言えばファンタジーになるのかな~?

以前、keroyonさんが「一言で言えない」と
西作品を表現されてたけど、私もそんな印象。
脇役の少年、大地くんがいい味出してます!


nice!(56)  コメント(8)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

池井戸潤 「ロスジェネの逆襲」 [本]

s-b01.jpg

テレビでも大ヒットした半沢直樹シリーズの続編。
東京中央銀行から子会社の東京セントラル証券に
出向させられてからの物語です。
相変わらず様々な困難が半沢に立ち塞がるけど
持ち前の粘りと機転でうっちゃっていくのが痛快!
まさに勧善懲悪。現代の水戸黄門シリーズやね。
過去のシリーズをご存知なら安心して読めます。

出向組である半沢の、心に残るセリフを最後に・・・
 「サラリーマンは、いやサラリーマンだけじゃなく
 全ての働く人は、自分を必要とされる場所にいて
 そこで活躍するのが一番の幸せなんだ。
 会社の大小なんて関係がない。知名度も。
 オレたちが追及すべきは看板じゃなく、中身だ。」
こんなん、さらっと言ってみたいわ・・・(;^_^A


nice!(56)  コメント(15)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

中島らも 「君はフィクション」 [本]

s-a01.jpg

およそ1年半ぶりのブックレビュー(;^_^A
2004年に急逝した中島らもさんの短編集。
亡くなってから2年後に発売された本です。
未発表作品2篇を含む全10篇での構成で
ホラー、音楽、ドラッグ何でもありの世界。
中では「DECO-CHIN」が一番の衝撃でした。
詳しくは書きませんが、アブナくて凄い話!
らもワールド全開のぶっとんだ狂気・・・。
この作品だけでも1冊分の価値があるかも!

「東住吉のぶっこわし屋」という作品もあって、
だだけもん(大阪弁)が大暴れするんやけど
元東住吉区民の私は複雑な気分(;^_^A

本のあとがきは娘のさなえさんが書いてて、
親子ならではのエピソードが満載でした!


nice!(37)  コメント(9)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

三浦しをん・あさのあつこ・近藤史恵 「シティ・マラソンズ」 [本]

s-a01.jpg

三浦しをんさんの作品「風が強く吹いている」が、
めっちゃ良かったんで、ポッポさんが紹介してた
「シティ・マラソンズ」を読んでみました。
この作品、アシックス主催のWebキャンペーンの
ために3人の作家さんが書き下ろしたもの。
ですんで、設定がスポンサーを意識したものに
なってるのはご愛嬌ですが、それを割り引いても
読み応えある短編集でした!

市民マラソンって、1分1秒を争う、競技としての
マラソンとは、全く別の世界なんですよね。
これ読んだだけで、ニューヨークシティマラソンに
行きたくなった私です(苦笑)
走ってる人はもちろん、まだ走ったことのない人に
読んでほしいなぁ。きっと、走ってみようかな、
という気分になると思いますよ~!




nice!(33)  コメント(13)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

三浦しをん 「風が強く吹いている」 [本]

s-a02.jpg

素人集団が箱根駅伝を目指す青春小説です。
keroyonさん、ポッポさん、liangさんのblogでも
紹介されてて、映画化、舞台化もされてるそうで
これは読まないわけにいかないでしょ!

話自体はシンプルやけど、選手各人の個性が
きっちり描かれてて、話に深みが出てますね。
出張の時に新幹線の中で読み始めたんですが
一気に半分ぐらい読んで、もう涙ボロボロ。
でも、世間体なんて気にしてられません!
感動できるシーンでは、素直に涙しましょう!

駅伝選手の倍ぐらい遅い、へなちょこランナーの
私ですが、自分のスタイルで走り続けよう!と
心に決めさせていただいた1冊です。
映画のDVDも観てみたいなぁ。




nice!(40)  コメント(13)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

桂 望実 「ボーイズ・ビー」 [本]

s-a01.jpg

桂望実さんって、以前「県庁の星」というのを
読んだことありましたが、これが2冊目です。
ちなみに以前、ブックオフで105円であれこれ
大量の買っておいてた中の1冊(笑)

お母さんを亡くした小学生の兄弟と、近所に住む
めちゃ偏屈な靴職人の爺さんを中心にしたお話。
弟想いのお兄ちゃんの隼人くんが健気です。
よくある設定なんやけど、登場人物のかかえる
問題がラストに向け、うまく解決していきます。
兄弟の願いで、お母さんのプリンの味を再現
すべく爺さんが頑張るシーンがあるんやけど、
外国人を巻き込んで大騒ぎするのも笑えます。
大どんでん返しとかは全くないけど、読んだあと、
心がほっこりすること間違いなしですよ!





nice!(40)  コメント(10)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

百田尚樹 「幸福な生活」 [本]

s-h01.jpg

「永遠の0」が話題の百田尚樹さんの短編集。
オチがすべて最後の1行に集約されてて、
ページをめくった直後に、その最後の1行が、
スパッと書かれてて終わる構成なんです。
本の装丁を前提に、行数を計算したうえで
文字量や改行を調整されてるんですよね~。
そんな凝った造りには拍手を贈りたいです。

全部で19話の短編で構成されてて、中には
正直言って、オチが読めてしまう残念なのも
あるんやけど、中には、わっ!こう来たか!
と唸るような作品もありますよ~。
浮気相手の女性が突然家に訪ねてくる、
「夜の訪問者」が、私的にはNo.1でした!
通勤中の電車でもサクサク読めますよ~。



nice!(38)  コメント(13)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

奥田英朗 「家日和」 [本]

s-b01.jpg

様々な家族の形を描いた6編での短編集。
文体自体が軽いんで一気に読める本です。
全編に通して言えるのは「家族っていいな」
という、ほっこりした読後感があること。

奥さんに逃げられた男が、開き直って部屋に
オーディオルームを作る話「家においでよ」や、
ネットオークションにハマっていく主婦の話、
「サニーディ」もありそうな感じです~!

「ここが青山」という短編中に出てくる故事、
「人間到る処青山在り」・・・・読めませんでした。
人間=じんかん、青山=せいざん、が正解。

まあ、そんなん知らなくても楽しめる1冊!!




nice!(47)  コメント(14)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

渡部 建 「エスケープ!」 [本]

s-a01.jpg

秀逸な状況設定が抜群のコントのコンビ、
アンジャッシュ・渡部建さんが書いた小説。
彼らのコント同様、この作品も主人公の
若者とそれを取り巻く人達が、ひょんな
ことから勘違いが始まり、それがどんどん
エスカレートしてきて、笑いがじわじわと
広がっていく感じ。
う~ん、うまいなぁ、という感想です。
さすがに小説にしては無理ある強引な
設定があるにはるんやけど、このまんま
コントの台本になると思ったらすんなりと
納得できてしまうのが不思議(笑)
アンジャッシュを好きな人は間違いなく
好きになる作品です。
(ちなみにブックオフで105円で購入)



nice!(36)  コメント(5)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

池井戸潤 「不祥事」 [本]

s-a01.jpg

みずほ銀行が反社会的勢力への融資を
頭取は知ってたとか、知らなかったとか・・・・。
半沢直樹の世界が現実でも展開されてる
昨今、タイムリーすぎるタイトル(苦笑)
この池井戸作品も銀行にした短編集です。
主人公は女性の花咲舞さん。半沢直樹より
彼女の方が数段かっこいいです!
遠慮なく思ったことズバズバ言うし、バシっと
ビンタかますし攻撃力は半沢より上(笑)
短編やけど勧善懲悪のはっきりした展開で、
テンポよくすかっとできますよ~。

でも一連の作品を読んだり、テレビドラマを
見てると「銀行員」だけはなりたくないわ~と
思ってしまうのは私だけでしょうか?



nice!(46)  コメント(12)  トラックバック(0) 
共通テーマ: